企業が活躍人材を育成するには

最終更新日:2020/07/20

Writing by:田中れん

日本の労働人口が減少している中、どの企業も”良い人材がほしい”と考えているのではないでしょうか。しかし実際は「採用基準に満たなくても運営に支障が出るため採用せざるを得ない」という状況があるのも実状でしょう。

辞めず利益を上げ続ける人材を育てる

採用は大きくこのパターンに分かれると思います。

1)優秀な人材だけを採用する
2)入社してから育成する

結論、私は辞めさせず利益を上げる人材に育てる事が大切だと考えています。
この逆でいうとダメな人は入れ替える。になりますが、実際この方法で大きく成長してきた企業もあります。しかし今はそれが通用するとは思えません。
そして優秀な人だけを採用するのは困難かつ、社員の底上げをするには人を育てることが必要不可欠であると痛感しているからです。

試行錯誤

以前までの採用は新卒はポテンシャル採用がメインで、会社のバリューにマッチした人を採用していました。
中途も明確な採用基準は設けておらず個人の経験と感覚で人を採用し、事業・組織共に拡大をしていました。
しかし、今回のコロナで以下が露呈し採用及び人/組織について改めて考えることとなりました。

・事業ドメインが良かったため会社は急激に拡大したが、人の成長は比例しなかった。
・人が増えたから、売上が上がったといった構図ではない。
・ポテンシャル採用から能力主義採用へと移行する必要性がある

よって自社のS級人材を定義し採用しようと動くことに。
動いた結果、「優秀な人は市場に出回らない」「出会えたとしても採用しきれない」いくつか理由はありますが、つまるところ優秀な人材から【選ばれていなかった】ということが明らかになりました。
就職氷河期と言われたのは過去のこと。今は人不足が深刻さを増し、企業が好きなように働く人を選ぶ時代は終わりました。企業が人を選ぶ時代から人が企業を選ぶ時代になり、人が取れない企業は選ばれていない企業ということです。

働く人からも選ばれる企業

一人ひとりが幸せの価値観が違うように、働く目的もさまざまです。
しかし生きる上で自身のできることを増やし、選択肢を広げることは必要だと考えます。
選択肢を増やすためには出来ないことができるようになる成長も欠かせません。なので選ばれるためには人が育つ仕組みと辞めない理由をつくることが不可欠でしょう。
成長でき労働環境がよく、良い教育をして人が育つ会社であること。
そんな会社には多くの人が集まりますし、辞めにくいですよね。そしてその仕組みができ浸透すれば会社の魅力として人が集まり、定着し成長すると考えています。

企業がやるべきこと

たくさんやることがありそうに思いますが、大きくは「教育」「評価」「労働環境育成」の3つ。
きちんと教え、評価し、働く環境を整えることが育成の大前提です。
教育と評価の仕組み化が必要ですが、その仕組をどうつくるか。
仕組み化されていないパターンは「上司のやり方に任せる」です。これは一番イケてないやり方。なぜなら個人の力量の差が大きいからです。育成能力のない上司の下についたら不幸です。時間を無駄にし周囲と格差が生まれますし、会社はそれを本人のせいにしがちです。

このように個人の能力に依らず、みんなで共有できる仕組みが必要でしょう。
ではどうするか。まずはゴールを明確にすることが必要です。
・どうなってほしいか
・どのようなことができるようになって欲しいか

職種、ポジションごとに上記ゴールを設定します。
マラソンもゴールが設定されていないと辛いだけですよね。
そのようにやってほしいことを明確にし目標設定をします。

教育したらそれで終わり、あとは自分でやってと放置してはいけません。
ですが実際は教えて「やりっぱなし」になっているケースは多いのではないでしょうか。
私達もそうでした。「研修をやっているのに内容が定着しない」「教えたのに出来ない」と”教えただけ”になっていました。必要性を検討した上で教えたことであればそれが無駄に終わることはないはずです。

ではなぜ、そのようなことになるのか。教えたこととを実行するように要求と後追いをしないからです。
加えて、要求したことの評価をきちんとしないからです。
教えたことを現場で実行することを要求し、結果について評価する。このプロセスがあればやるようになります。
初めはうまく出来なくても評価という動機付けがあれば、向上しようと努力するでしょう。中には、たとえ評価されなくてもこの仕事が好きだから続けます。という人もいるかも知れません。しかし、それは少数派で評価という見返りがなければ人は仕事をする気にはなりません。

「教育」「評価」「労働環境育成」を整備して辞めない理由をつくること。そして、いつ、どこまでできるようになるかというゴール設定をし、教えたことを現場で実行するようにしっかりと要求する。加えて、やったこと、できたことについてはきちんと評価すること。
やりっぱなしにせず上記を基本として行い、仕組み化することで働く人の成長に繋げていきたいましょう。

評価は、会社が働く人の評価にどう取り組むか。経営者の姿勢が問われる部分だと思います。
企業にはさまざまなタイプがあり、育成が大事だと口では言うもののそれほど実践はしていないという企業もあります。育成に関しては経営者の考え方が一番大事だと考えます。

コロナや様々な要因により業績が悪化した時、真っ先に削られるのが教育費であることもよく分かります。教育費が変動費と考えた時、それはコスト削減の対象になるからです。
そうではなく経営者が育成を投資と考えるかどうかがポイントなのではないでしょうか。

私たちもまだまだ仕組み化しきれているわけではありませんが、人と組織に向き合うなかで失敗の度に気づき、学び、チャレンジをし続けています。これからも一人ひとりの個性を活かしながら、人が育つ仕組みと辞めない理由をつくり、高い成果を上げ続ける組織をつくっていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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執筆者

田中れん

CANTERA関西1期卒業生。
大学卒業後はピアノ講師として幼児〜社会人の方へ、リトミックやピアノ演奏の指導。
その後リクルートで営業に従事。美容室の経営に携わり売上の拡大や人材育成に貢献。
現在はベンチャー企業にて評価制度の運用設計、人が育つ組織の再構築や新卒採用に尽力中。

企業が活躍人材を育成するには

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