コーチング的1on1のススメ〜無条件に社員を肯定〜

最終更新日:2020/07/23

こんにちは。CANTERA ACADEMY8期卒業、力衛通裕です。さて、「大丈夫です!」 社員との面談でのやりとりの中で、この一文で一瞬で終わってしまいそうな雰囲気に、あたふたすることもあるのではないでしょうか?(私だけ?)社員との面談をすすめる上で活用できるコーチングの手法「スケーリング」をお伝えします。

スケーリングとは?

”スケーリング”なんて、横文字でかっこよく聞こえますが、要は点数化です。今の状況や行動を「良い・悪い」「できる・できない」というように0か1かでは評価しづらいもの。できている部分もあれば、できていない部分もある中で、ともすると人はできていないことにフォーカスしがちです。そこで、このスケーリングを使うことで、自分の状況や行動を整理しながら、客観的に冷静に把握していきます。

まずは現状でできていることを知る

では、このスケーリングをどのように使うのかですが、例えば、「今の仕事に対する満足度は10点満点で何点ですか?」という聞き方で点数化していきます。

出てきた点数について、「どんなところに満足しているの?」「どんなことができているから満足しているの?」といった具合に、現状できているところを具体的に聞いていきます。

ここで大事なことは、「できていること」にフォーカスすること。たとえ10点満中1点であっても、その1点をつけたときに、「こんなことができているから満足している」と、その人の頭の中で思い描いたことがあるはずです。

そのイメージを具体的に聞き出し、語ってもらい、本人ができていることを感じてもらうことが次の質問をする上で大事になってきます。

10点満点の理想の状態を知る

自分の現状で満足していること、できていることを知り、気持ちが前向きになった状態で、次の質問です。

「じゃあ、10点満点ってどんな状態?」

ここで大事なことは、どんな答えが出てきても評価をしないこと。今、相手はその人の世界観の中で10点満点の状態を味わっています。その世界観をしっかり味わってもらいながら、本人の本当にやりたいことを見つめてもらい、モチベーションをあげていきます。あなたが感じる「できる・できない」「良い・悪い」の評価は横に置いて、目の前にいる人の10点の世界を一緒に味わうことが大切です。

「他には?」「具体的には?」という質問を使って、一緒にその人の10満点の世界を広げていきましょう。

小さな第一歩を決める

理想の状態を想像し本人のモチベーションが上がった状態で、次の質問。

「今より1点上がった状態はどんな状態?、そのために何ができる?」

いきなり10点満点の理想の状態を目指すと、実現するためにやることが多かったり内容が難しいと感じ「本当に実現できるのか。。。?」と、せっかく上がったモチベーションが一気に下がってしまいます。あるいは、10点満点の状態が想像できたものの、そのために何をしたらいいか、”今”はわからないということもあるでしょう。まずは、今の状態から少し頑張れば手が届きそうな状態、1点〜2点上がった状態を実現することを目標に、そのためにできること決めていきます。

ここで大切なことは、具体的な行動でかつ”すぐに”できる(可能であればその日中に)くらい小さな第一歩にすること。人は、大きな変化を感じると現状維持バイアスが働き、その変化を避け、現状を維持したくなるものです。その現状維持バイアスが働かないくらいの小さは変化・行動を起こし、理想の状態へ向かって1歩踏み出すことが大切です(例えば、運動を習慣化して理想の体型を取り戻すという目標に対しては、ランニングシューズを明日の朝、玄関に並べるといった具合)。

大切なのはコーチであるという姿勢

コーチングにはいろんな手法がありますが、一番大切なのはコーチングをするということではなく、自分はコーチであるという姿勢だと思います。その姿勢とは、「人は可能性に満ち溢れている」ということを信じ切る姿勢です。現代のカウンセリングやコーチングに大きな影響を与えたカール・ロジャーズはそれを、「無条件の肯定的配慮」と表現しました。

たとえ、10点満点中0点と、その人自身が自分の可能性を見失った状態であっても、無条件にその人のことを肯定的に捉えて尊重すること。

「マイナス1点から這い上がってきたのかもしれない」「0.2点だったらどうか」などいろんな視点からその人の可能性を探っていくことを、コーチとして諦めないということ。

私は以前「今の仕事が向いていないから辞めたい」と社員から相談を受けたことがあります。その時は、話を聞くだけで終わってしまいましたが、オフィスに戻りその人の履歴書引っ張り出してを読み返してみました。するとそこには、彼女のやりたいことやこれからの使命感で溢れていました。後日、彼女と2人でその履歴書を涙しながら眺め、これからどうしたいか、そのための1歩を決めたことを昨日のことのように覚えています。

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