金融業界出身。ガチガチの支配型リーダーが挫折し、支援型リーダーに鞍替えした話(前編)

最終更新日:2020/12/18

Writing by:野添塁

この記事で伝えたいことは二つ。私の体験談から、現代型の知識労働をする職場には支援型リーダーシップの相性が良いという意見がその一つ。

そして、その為のツールとして心理的安全性の考え方が役に立つという体験談が二つ目となります。
※尚、勝ち筋が定まっており(と思いこんでいる)、変化が少ない(させる気がない)昭和型の職場には導入が難しいかもしれません。

自己紹介

大まかな経歴でいいますと、新卒で金融業界へ就職⇒ベンチャー企業へ営業担当として転職⇒営業マネージャーを経験⇒採用マネージャーとして未知の領域へチャレンジ、となります。

■経歴
・金融機関時代
平均給与に釣られて新卒入社した金融機関で、業績もモチベーションも大して上がらず、管理をされる日々(the社畜デイズ)。
関東から中国地方への転勤後、悪意なきパワハラ上司から逃げ出す形でベンチャー企業へ転職。

・広告営業担当/MG時代
広告営業の立上げを担当(厳密には0.1くらいですが)。
環境の良さもあり、順調に売上は増加し、1⇒10のフェーズでマネージャーに昇格。

手製のマニュアルを渡し、「なんでそうなるの?」「教えた通りにできないの?」「メモは見ているの?」とメンバーをフルボッコにしてしまった挙句、続発する(自分視点では)あり得ないミスからの炎上と火消に追われる日々、からの自信喪失によるマネージャー降板申し出。

man in blue denim jacket facing turned on monitor

・採用リーダー時代(now here!!)
自社の人事部立上げのタイミングで採用リーダーとして異動(人事業務未経験)。
人事業務の経験もあり、社内フローも知っている既存のメンバーが在籍する中、採用という未知の業務でリーダー(現在MG)を経験中。

https://images.unsplash.com/photo-1600880292203-757bb62b4baf?ixlib=rb-1.2.1&ixid=MXwxMjA3fDB8MHxwaG90by1wYWdlfHx8fGVufDB8fHw%3D&auto=format&fit=crop&w=1000&q=80

■性格
・先天的:桃鉄とか大富豪とかをやらせると強いタイプの「ナチュラルに嫌な奴」
・後天的:金融業界出身者にありがちな近距離パワー型礼賛文化(短期目標を気合でなんとかするあのノリですw)

自分が正解を出せない中での業務の進め方から得た学びが、本記事で触れる支援型リーダーシップへの鞍替えでした。

本記事の内容をざっくり言いますと、パワハラや支配型のマネジメントから逃げ出した私が、見事に支配型マネジメントを通じた暴君となり、その後に改心するというお話です。
※アナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーになり、最終決戦直前に改心するようなイメージでOKです!

どんな人に読んでほしい記事か

・プレイヤーとして結果出したのでマネジメントに昇格しそうな人(マネージャー未経験者)
・金融業界とか不動産業界とか浄水器の訪問販売とか“圧が強めな業界”から脱出してきた人
・現職がマネジメントで、最後は“根性が大事”とどこかで思っている人
にとっては、何か参考になるかもしれません。

「素直でいいやつ」タイプで、上記の人種が理解できない人
にとって参考になることはないので、動物園に来た感覚で楽しんでもらえれば幸いです!

身も心も支配型リーダシップに浸かっていた私がなぜ支援型リーダーシップに鞍替えしたのか

本記事は、現代型の知識労働(変化が激しく、絶対の正解はない環境)と支援型リーダーシップは相性が良いのではないか。また、支援型リーダーシップの実現には心理的安全性を意識すると良いかもしれない、という考えとその体験談です。

■支配型/支援型リーダーシップとは?
・支配型リーダーシップ
リーダー自身の考え方や価値観を貫き、部下を強い統率力で引っ張る。
一方的な説明や命令を出す事でコミュニケーションをとり、責任と罰で人を動かします。

・支援型リーダーシップ
どうすれば組織のメンバーの持つ力を最大限に発揮できるのかを考え、その環境づくりに邁進。信頼関係を重視し、部下の話に耳を傾け、協力しながら目標を達成。

参考:https://bizhint.jp/keyword/14197

■心理的安全性とは?
『話しやすさ』・『助け合い』・『挑戦』・『新奇歓迎』の4因子がある職場においては、健全な議論がうまれやすくなる。
効果として上記の心理的安全性と仕事への高い基準が組み合わさると、仮説に対して実験・検証を繰り返すことで失敗から学ぶ学習できるチームができあがります。
参考:心理的安全性のつくりかた 石井 遼介著 日本能率協会マネジメントセンター

支配型リーダーシップの前提は上長の経験値に基づく判断やルールがある程度正しいことが前提にあると思うのですが、不確実性の高い現代においては、急速に経験値が役に立たなくなり、都度新たな決断や対応が必要となります。

だからこそ、「正しい情報を基に、自分が判断をするんだ」と力が入りがちですが、これが見事な落とし穴になるんですよね…

現代型の知識労働において、なぜ支配型リーダーシップは機能しづらいのか

さて、マネージャーとしてお悩みの皆さん、こんなことって過去にございませんでしたでしょうか?

・メンバーの自主性が足りない(もう少し自分で考えてほしい)
・報連相がうまく機能しない(教えてくれれば、そうはならなかったのに…)
・メンバーが指示した通りに行動してくれない(わかってないなら、その時に言ってよ…)
・同じミスを繰返す(メモを取れと何度も伝えているのに)

流れるハンバーグ弁当にナポリタンを敷く仕事であれば、必要なのは正確さと忍耐力等ですが、知識労働型の職場では、マニュアル通りだけでうまくいく仕事は少ないです。
※マニュアル通りに仕事をすることがそもそも難しいケースも含む

変化し続ける環境では、都度適切な判断が必要となり、その為には適切な情報収集が必要となります。
適切な情報収集には、適切さとは何かを自分で考える力も必要になります。

■支配型リーダーシップの落とし穴
支配型リーダーシップでは構造的に、すべての情報を上司に集約し、すべての情報を上司が判断し、すべての指示を細かく上司が指示しないと機能しないのですが、残念ながら伝言ゲームは思った以上にうまくいきません。

上司の貴方は必要な情報を部下から提供されず(報連相の不足)、貴方が誤った判断をしても自己責任。
十分な兵站を得られず(指示通り動けないメンバー)、友軍からの誤射(自分視点ではあり得ないミスの発生)を受けながら、貴方は孤立無援で悪戦苦闘を繰り返すのです(結果業績が上がらない責任を取らされる)。

一見すると貴方は孤軍奮闘している悲劇の主人公ですが、実は組織がうまくいかない理由の70%位は貴方自身にあるのかもしれません。
(ミスマッチもあるので当然100%貴方が悪いわけではありません)

■メンバー視点から見た貴方

口では「なんでも相談して」と言っている割に、メンバーの意見を聞かず、自分が正しいと信じて疑わない上司(貴方)の下で働くメンバーは、貴方に対する報告づくりに追われ、何もかもを自分で決めないと気が済まない貴方のせいでドンドン無気力に。

自分で考えることを諦め(自主性の不足)、口をつぐみ(報連相の不足)、ユーザーの為と輝いていたモチベーションは消え失せます(やる気の不足)。

そして、貴方の指示した通りに行動し、給料がもらえればそれで良いと、視座の下がった行動を繰り返すようになるのです。
(思考停止で表面的な作業を繰返すことで同じミスが発生)

いかがでしょうか?
私のマネージャー時代の体験談をデフォルメして記載していますが、メンバーのやる気がないのではなく、自分自身がメンバーのやる気を奪っているんですよね…

支配型リーダーシップが機能しやすい職場もありますが、ひとまず長くなってしまったので、前編はここまでです。

後編では支配型⇒支援型へ変化したきっかけと、具体的に何を意識して行動したのかに触れていきます。

リーダーシップやマネジメントについて学びたい方はこちら!

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執筆者

野添塁

CANTERA ACADEMY4期卒業。

新卒で金融業界へ就職。その後ベンチャー企業へ営業担当として転職し、営業マネージャーを経験。

現在は採用マネージャーとして未知の領域へチャレンジ中です。

金融業界出身。ガチガチの支配型リーダーが挫折し、支援型リーダーに鞍替えした話(後編)

前編では支援型リーダーシップの必要性について私見を述べさせていただきましたが、後編は具体例の形を借りた自分語りです。

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この記事で伝えたいことは二つ。私の体験談から、現代型の知識労働をする職場には支援型リーダーシップの相性が良いという意見がその一つ。

そして、その為のツールとして心理的安全性の考え方が役に立つという体験談が二つ目となります。
※尚、勝ち筋が定まっており(と思いこんでいる)、変化が少ない(させる気がない)昭和型の職場には導入が難しいかもしれません。